アルミダイカストの表面処理は、耐食性・外観・塗装下地・バリ取りなど、製品に必要な機能から選びます。処理名だけで決めず、材質、使用環境、寸法公差、後工程の条件を合わせて確認することが重要です。
この記事の要点
アルミダイカストの表面処理を、耐食性・外観・塗装下地・バリ取りの目的別に比較。アロジン、アルマイト、バレル、ショットの選定時に確認する条件と、熱処理との違いを整理します。
このページでは、処理方法を選ぶときの比較と確認事項を整理します。各工法の仕組みや熱処理の詳細は、表面処理・熱処理の目的と代表的な方法をご覧ください。

表面処理の目的別比較
| 処理方法 | 主な検討目的 | 選定前に確認すること |
|---|---|---|
| 化成処理・アロジン処理 | 防錆・耐食性、塗装などの下地 | 使用環境、指定処理、後工程、寸法への影響 |
| 陽極酸化処理・アルマイト処理 | 耐食性・耐摩耗性・絶縁性 | 合金の種類、外観、膜厚、寸法公差 |
| バレル研磨 | バリ取り、面取り、表面の調整 | 製品形状、処理したい部位、研磨条件、仕上がり基準 |
| ショットブラスト | バリ取り、鋳肌の均一化、塗装下地 | 投射材、処理条件、薄肉部の変形、外観の許容範囲 |
耐食性や塗装下地から選ぶ
化成処理は、製品表面に保護皮膜を形成し、防錆・耐食性や塗装などの密着性を確保するために検討されます。アロジン処理を指定する場合も、使用環境と後工程、納入先が指定する処理条件を確認します。
外観・耐摩耗性・絶縁性から選ぶ
アルマイト処理は、製品表面に酸化皮膜を形成する処理です。ダイカスト合金では、合金成分の影響で色むらや黒ずみなどが課題になることがあります。外観見本、材質、膜厚、処理後の寸法条件を確認して適否を検討します。
バリ取りや鋳肌の仕上がりから選ぶ
バレル研磨やショットブラストは、バリ取りや表面の調整を目的とする物理的な処理です。製品の形状と処理したい部位、必要な仕上がりを整理し、研磨材・投射材や処理条件を検討します。薄肉部や外観部では、形状・寸法への影響も確認します。
メッキ・塗装の前に鋳肌を確認する
メッキや塗装の仕上がりには、下地となる鋳造品の状態も関係します。鋳巣や湯じわなどの欠陥がある場合は、後工程の処理だけで対応を決めず、鋳造条件や金型の状態を含めて確認します。
鋳造から機械加工・表面処理までの工程をまとめて検討したい方は、ワンストップ対応の内容をご確認ください。
表面処理と熱処理は目的を分けて検討する
表面処理は製品表面の機能や状態を整えるために検討します。一方、T5・T6などの熱処理は、材料の性質や残留応力などを調整するための処理です。必要な強度・寸法安定性と、材質・内部品質・処理条件を確認して選びます。
選定相談の前に整理したい情報
製品図面と材質、予定数量、希望納期に加え、使用環境、求める耐食性・外観、指定処理、膜厚、処理後の寸法公差、後工程、検査方法をお知らせください。
よくある質問
表面処理は、どの条件から選べばよいですか?
まず必要な耐食性・外観・表面機能を整理します。そのうえで、材質、製品形状、寸法公差、使用環境、後工程の条件を比較して処理方法を検討します。
