鋳巣を防ぐ金型の冷却・構造設計の要点

鋳造欠陥 湯回り 金型
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ダイカスト部品の鋳巣は、多くの場合、充填時に巻き込まれた空気やガスが高圧下で閉じ込められることで発生します。製造現場でどれだけ条件を調整しても改善しない場合、その原因は金型設計、冷却設計や構造設計にあるかもしれません。

本稿では、これまで数多くのダイカスト現場で直面してきた課題をもとに、鋳巣などの鋳造不良を招く金型設計上の要因と、その対策について解説します。

冷却設計の落とし穴

ダイカストの冷却設計は、溶湯の凝固速度と金型温度の均一性を左右します。ここに不備があると、金型内に水分が残留しやすくなり、鋳巣発生の引き金となってしまいます。冷却設計において頻繁に発生するミスとしては以下の点があげられます。

 
冷却穴の本数が多すぎる

冷却を効かせようと穴を増やしすぎると、必要以上に熱を奪ってしまい、かえって温度バランスが崩れます。

 
冷却位置が適切でない

特定の箇所だけが過剰に冷えたり、逆に熱がこもる部分が生じたりして、温度分布が不均一になります。

 
冷却穴の深さや径の設定ミス

穴を深くしすぎると型厚が確保できず、金型強度に影響します。また、穴径やパイプ径が大きすぎても、冷却効果が不適切になります。

 
内部冷却と外冷のバランス

内部冷却が効きすぎると、局所的に急激な温度勾配が生じ、溶湯の流れが悪くなったり、凝固が不均一になったりします。

また、離型剤などによる外冷が多すぎる設計も問題です。型温が低い状態やエアーブローが不足していると、金型表面に水分が残ってしまい、それが鋳巣の原因となるガスを発生させます。内部冷却の設計ミスと外冷過多が重なると、金型温度の管理が一層難しくなり、安定した品質の確保が困難になります。

金型構造設計が引き起こす不良

鋳巣やその他の不良は、金型の構造設計にも起因します。強度や溶湯の流れ、離型時の負荷を十分に考慮していない設計は、製造中に金型を傷め、不良率を高める結果につながります。

 
強度・剛性不足

金型の強度や剛性が足りないと、型締め圧力や鋳造時の溶湯圧力で金型が変形してしまいます。これは寸法精度を狂わせるだけでなく、金型の分割面から水やエアーが漏れたり、型潰れを起こしたりして、鋳巣などの不良を招きます。サポートやダイベースの配置が適切でない場合も、同様の変形リスクがあります。

 
応力集中

製品形状に鋭角部位や段差がある場合、そこに応力が集中しやすくなります。角部や穴部など、形状が急に変わる箇所では特に注意が必要です。こうした箇所ではヒートクラック(熱疲労割れ)が発生しやすく、製品自体の疲労破壊にもつながります。設計段階で応力集中箇所を見極め、フィレット(曲面)を設けるなどの配慮が必要です。

 
抜き勾配とアンダーカット

ダイカスト製品では、適切な抜き勾配の確保が離型のしやすさと品質維持の鍵となります。抜き勾配が不足していると、離型時の摩擦抵抗が大きくなり、製品の変形や金型の損傷(かじり、クラック)を引き起こします。特に薄肉部品では、離型時の変形が顕著になるため、慎重な設計が求められます。

また、通常の金型では抜けないアンダーカット形状を安易に採用すると、製造が複雑化し、金型整備や修正でのミスが増え、不良リスクが高まります。

高品質ダイカストは金型設計の見直しから

鋳巣や湯流れ不良(湯じわ、湯境など)を解消し、製品の軽量化と高強度化を実現するには、製造現場での条件調整だけでなく、金型設計そのものの精度を高めることが重要です。

特に、薄肉化を進める場合は、溶湯の流動性が低下しやすいため、許容充填時間内に充填を完了させる湯道設計や、キャビティ内のガスを効率的に排出する対策(エアベントや真空吸引)、そして冷却・構造設計のミスを排除する取り組みが欠かせません。

軽量・薄肉ダイカスト開発センター.comを運営する帝産大鐘ダイカスト工業では、型メーカーと協力して流動解析を行い、内部品質に注意しています。また社内の取り組みとして、内部品質は鋳巣が入りそうな部位について目視で確認したり、カットして湯境やしわの有無を確認しております。

ダイカストの不良に関するお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

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