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アルミダイカスト部品とは?特徴や合金の種類、設計時の課題を解説

鋳造欠陥 湯回り
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アルミダイカスト部品

自動車の電動化が進むなかで、アルミダイカスト部品の需要が高まっていることをご存知でしょうか。軽くて放熱性に優れたアルミダイカスト部品は、ECUケースやヒートシンクをはじめ、身の周りの様々な製品に使用されています。本記事では、アルミダイカスト部品の特徴や使用される合金、設計段階でつまずきやすい課題と当社の強みをご紹介します。

アルミダイカスト部品とは

ダイカストとは、溶かしたアルミ合金を精密な金型へ高速・高圧で射出し、短時間で凝固させる鋳造工法です。この工法でつくられた部品がアルミダイカスト部品です。

アルミダイカスト部品の特徴は下記の3つがあげられます。

・軽量

比重は鉄が7.8であるのに対し、アルミニウムは2.7です。同じ形状であれば、およそ3分の1の重さになります。自動車の低燃費化や電動化が進むなかで、軽量化の要求は年々厳しくなっています。

・放熱性

アルミニウムは熱伝導性に優れた金属です。電子部品の発熱量が増えるほど、この特性が活きてきます。

・部品点数の削減

ダイカストは設計の自由度が高く、プレス部品や切削部品など複数の部品で構成されていた構造を、1個のアルミダイカスト部品に一体成形できます。継ぎ目のない一体構造にすることで、部品点数や組立工数の削減、さらには軽量化にもつながります。 

>>アルミダイカストとは?特徴・メリットから「薄肉・軽量化」の最新技術まで徹底解説 >>アルミダイカストは電子機器でどう使われる?用途と強みを解説

アルミダイカスト部品に使用される合金の種類

アルミダイカスト部品の品質やコストを大きく左右するのが、合金の選定です。

日本産業規格(JIS)において、ダイカスト用のアルミニウム合金は「ADC」という記号で分類されています。なかでも国内生産の90%以上を占めるのがADC12です。流動性に優れ、薄肉や複雑形状でも湯回り不良を起こしにくく、切削などの二次加工もしやすいことから、特別な要求がない限りはADC12をベースに検討を進めるのが基本となります。

ADC12

アルミニウムにシリコンと銅を加えたAl-Si-Cu系の合金です。鋳造性・被削性・コストのバランスに優れており、筐体やケース、カバー類の多くはADC12で製作が可能です。

ADC10

ADC10

ADC12と同じAl-Si-Cu系ですが、銅の含有量が少なく設定されています。銅が少ない分、熱伝導率と電気伝導率がADC12よりも優れ、伸びや耐衝撃性も若干高くなります。熱を逃がす性質に優れているため、ヒートシンクやモーターハウジング、電子機器のケース、自動車用電装部品などに多用されます。

ADC5

アルミニウムにマグネシウムを加えたAl-Mg系の合金です。耐食性と伸びに優れる一方、湯流れが悪く、鋳造の難易度は上がります。

放熱性を重視する場合はADC10、耐食性やアルマイト処理が必要な場合はADC5やADC6といった選択肢もあります。ただし合金を変えれば鋳造の難易度も変わるため、要求仕様と鋳造性のバランスを取ることが重要です。

>>アルミダイカストの品質を決める材料の種類と選び方 

アルミダイカスト部品の設計でつまずきやすい3つの課題

アルミダイカスト部品の設計では、下記の3つの課題がよく問題になります。

・湯回り不良

溶湯が金型のすみずみまで届かず、形状が欠けたり、表面にシワ状の跡が残ったりする不良です。薄肉部や末端部、細いリブの先端は溶湯が冷えやすく、充填が完了する前に凝固してしまうことで発生します。

・鋳巣

高速充填ではキャビティ内の空気や蒸発した離型剤を巻き込みやすく、製品内部に空洞が生じます。肉厚の急変部では溶湯の補給が追いつかず、引け巣も発生します。強度低下やエアリークの原因となり、機械加工をして初めて露見するケースも少なくありません。

・歪み

肉厚差の大きい製品では冷却時の収縮量に差が生じ、離型後に反りや歪みが残ります。また、抜き勾配が不足していると離型時に無理な力がかかるため、歪みがさらに大きくなります。

これらは量産開始後の条件出しだけでは解決できません。肉厚の均一化、抜き勾配、ゲート方案といった要素を、図面の段階でどれだけ織り込めるかが成否を分けます。

>>ダイカストで複雑形状を製作するために注意する点は?製作するための設計・鋳造技術を解説

アルミダイカスト部品を作る上での当社の強み

当社では下記3つの強みで対応しています。

・最小肉厚0.3mmを実現する超薄肉ダイカスト技術

薄肉化を進めると湯回り不良や寸法精度不良が問題となり、同業他社では匙を投げることも往々にしてあります。当社の製造製品には、肉厚0.3mmを実現した事例がございます。1千万台を超える自動車二輪部品の製造実績と、そこで培ってきた方案設計のノウハウを活用できるからこそ成せる技術です。

・工法転換やコストダウン、設計変更のアドバイスまで実施

当社はダイカストへの工法転換によるQCD向上に貢献してまいりました。1台作るのに3600秒を要していたアルミの切削加工を、36秒しか必要としないダイカストへ工法転換した事例もございます。単純に納入することが当社のモットーではありません。価格・納期・品質のお悩みに、設計変更のご提案まで含めて対応いたします。

・年間60件を超える試作開発実績

自動車部品、船外機、照明器具など様々な業界で、年間60件以上の試作・開発実績がございます。代表的な事例が自動二輪車のブレーキカバーです。従来は肉厚が2.24mmだった製品を、当社の技術を結集して0.7mm(本開発時には0.3mm)まで薄くすることに成功しました。試作後の量産も行っており、試作時に出た問題点の解決を量産の際に活かすことで、製品の品質を担保しています。

>>開発期間を短縮するアルミダイカスト試作|簡易金型を活用するメリット

当社のアルミダイカスト部品の製作事例

当社が実際に手がけた製品のうち、薄肉化と品質要求を両立した事例をご紹介します。 

ECUケース

アルミダイカスト部品

本製品は自動車のECUケースです。自動車の軽量化ニーズを受け、ダイカストでは類を見ない最小肉厚1.5mmを実現しました。ECUケースは内部の基板を振動や湿気、熱から守る部品であり、高い剛性と気密性が求められます。鋳巣や割れを防ぐには含浸処理が有効ですが、全数に実施するとコストが跳ね上がってしまいます。そこで当社では部分的な含浸を採用し、品質要求を満たしながらコストの上振れを抑えました。また後工程の機械加工も内製しているため、リードタイムの大幅な短縮が可能です。

>>ECUケースの製作事例の詳細はこちら 


自動車用ヒートシンク 

ヒートシンク

本製品はLEDヘッドライトやインバーターに取り付けられるヒートシンクです。材質はADC12、肉厚2.2mm、重量900gで、対応可能数は20,000個となっています。本製品はフィン部分が非常に薄いため、射出速度が遅いと金属が流れきる前に固まってしまいます。そこで当社では事前にCAE解析を実施して最適な射出速度を分析し、チルベント真空を用いた真空ダイカスト法で製造しました。

>>自動車用ヒートシンクの製作事例の詳細はこちら 

まとめ

アルミダイカスト部品は、軽量化・放熱性・部品点数の削減を同時に狙える部品です。一方で、湯回り不良や鋳巣、歪みといった課題の多くは設計段階で決まります。合金の選定と肉厚、方案を一体で検討することが、安定した量産への近道となります。

軽量・薄肉ダイカスト開発センターを運営する当社には、国家資格であるダイカスト技能検定員が3名在籍しております。650tのスクイズダイカストマシン(最大製品重量2,000g)をはじめ、真空装置やジェットクールシステムを保有し、鋳造方案の検討から鋳造、バリ取り、機械加工、検査まで社内一貫でご対応いたします。素材寸法公差±0.05mm、最薄0.3mmの薄肉成形実績もございます。

アルミダイカスト部品の製作をご検討のお客様は、ぜひ当社にお問い合わせください。

>>アルミダイカスト部品の製作のお問い合わせはこちら

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