ダイカスト鋳造では、不良がつきものです。巣穴や湯廻り不良を無くすことはダイカストメーカーの永遠の課題でもあります。
特に複雑な形状や薄肉製品、あるいは金型の構造上どうしても熱がこもりやすい箇所がある場合、一般的な対策や設備だけでは解決が難しいケースが存在します。
当社では、こうした不良率がなかなか改善しない困った製品や、薄肉などの難易度の高い部品においても不良を最小限にするために、2025年8月より最新のジェットクールシステムを導入しております。
今回は、設備導入によるダイカストの不良対策についてご説明いたします。
ジェットクールシステムとは

ジェットクールシステムとは、ダイカスト金型の冷却技術の一つで、「高圧点冷却システム」のことを指します。通常の低圧の冷却水では届かない、または冷やしきれない金型の局所的な高温部分(ホットスポット)を、高圧の水流を使ってピンポイントで強力に冷却する技術です。
ダイカスト鋳造では、製品の形状によって分厚い部分や金型が奥深く、溶湯がなかなか届かない部分が発生します。通常の冷却では、水の流れが緩やかで、熱を奪い切れないため下記のような問題が発生します。
・熱がこもる: そこだけ金属が固まるのが遅くなる。
・巣穴ができる: 最後に固まる部分に引けが集中し、内部に空洞ができる。
・焼き付き: 金型温度が高すぎて、製品と金型が溶着してしまう。
ジェットクールの仕組み
ジェットクールは、金型のピンの中に二重構造のパイプを入れ、そこに高圧ポンプで加圧した水を勢いよく噴射します。激しい水流により水が激しく撹拌されるため、通常の冷却よりも熱を奪う効率が大幅に向上します。また細長いピンの先端まで強力に冷やすことができるため、通常の冷却システムでは冷却水が届かない場所まで冷やすことができます。
ジェットクールシステム導入によるメリット
① 巣穴(ヒケ巣)の解消
厚肉部を急速に冷やすことで、組織を緻密にし、内部欠陥(巣)の発生を抑えます。
② サイクルタイムの短縮
固まるのに時間がかかる部分を強制的に冷やすため、全体の鋳造サイクルタイムを速めることができます。そのため、時間当たりの生産量を増加させることができ、生産性向上につながります。
③ 金型メンテナンス費の削減
製造時の焼き付きを防ぐため、金型やピンの寿命が延びます。また、高圧水流により配管内の水垢や錆びが付着しにくく、詰まりを防ぐ効果もあります。
当社のジェットクールシステムをご紹介
当社では、アーレスティテクノサービス製の最新モデル『JECSS-M10』を導入しております。

■ JECSS-M10 の特徴とメリット
この最新モデルは、従来の冷却装置と比較して以下の点が飛躍的に向上しています。こちらのジェットクールシステムの特徴やメリットは以下の通りです。
①高い冷却能力と安定性
高圧水の吐出量が増加し、安定した流量を確保できるため、ピンポイントでの強力な冷却が可能となり、巣穴ができやすい厚肉部の欠陥を防ぐことができます。
②2系統の流路制御
冷却パターンを2系統持てるため、製品形状に合わせた複雑な冷却制御が可能です。
③操作性と視認性の向上
タッチパネルで金型ごとの条件保存が可能になり、再現性が向上し、品質の安定につながります。
こちらのジェットクールシステムと最新の高真空装置を導入し、当社の技術力を組み合わせることで、
不良率を20%から8%へと改善させてきた実績もあります。
不良が減らない部品や薄肉ダイカストは当社にお任せください!
軽量・薄肉ダイカスト 開発センターを運営する帝産大鐘ダイカスト工業株式会社は、不良ゼロを目指し、他社で断られた部品や、なかなか不良が減らない部品についての製造も承っております。流動解析データを基に金型更新や設計変更のご提案も可能です。
ダイカスト部品に課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。最新のジェットクールシステム、真空装置、熟練技術者による解析力で、難易度の高いダイカスト製品の量産化をサポートいたします。