
ブローホールとは、溶融金属が凝固するときに、内部に巻き込まれた空気やガスによって形成される内部欠陥です。そしてこのブローホールを減らすために有効なダイカスト法が、真空ダイカスト法です。真空ダイカスト法は金型内を真空に近い状態にすることで、ガスの巻き込みによるブローホールの発生を抑制できます。
しかし、この真空ダイカスト法を使用していても、ブローホールが発生してしまうことがあります。
今回はその原因となる4つのポイントについてご説明いたします。
①真空装置の故障・劣化
真空ダイカスト法を使用する際に必ず必要になるのが、真空装置です。しかしその真空装置が万全の状態でなければ、本来の真空装置を使用する効果が得られません。
真空装置で故障や劣化の主な点検項目としては、制御関係機器であるコイルや電磁弁が正しく動作しているか、真空ポンプのパッキンが劣化していないか、ベアリングなどの部品が破損していないか、などが挙げられます。
これらのポイントに注意しながら、定期的に入念なメンテナンスを定期的に行うことで真空装置の排気能力を正常に保つことができます。
②真空引きのタイミング
真空装置が正常に動作していても、作業員が正しい操作を行わなければ、真空による効果を得ることはできません。
ここで重要になるのが、真空引きのタイミングです。真空引きのタイミングが早すぎたり遅すぎたり、高速で溶湯を流し込む際の切り替え位置がズレていたりすると、どんなに高性能な機械でも、不良が発生してしまいます。
一般的には金型を閉じ、プランジャーチップが射出口を塞いだ時点で真空ポンプを作動させ、金型内部の空気を抜き始め、アルミが射出される0.3秒〜0.5秒前に真空引きを開始することが望ましいとされています。正しいタイミングで金型内の空気を最大限に排除することで、ブローホールが少ない高品質な製品を製造できます。
③金型内部の水分
真空装置で空気を排出していても、内部でガスが発生してしまうことがあります。
その主な原因は水分です。冷却水が金型にわずかに残っていたり、離型剤の水分が蒸発しきれていなかったりすると、溶湯が触れた瞬間に水蒸気となってガスが発生してしまいます。
水分によるガスの発生を防ぐためには、成形前に金型を事前に加熱することや、離型剤の種類や塗布量を調整するなどの対策を行う必要があります。
またベントが正しく機能しているかを確認することも、ガスの対策に効果的です。ベントは、金型内部のガスを外部に逃がすための通り道です。このガスの排出口がうまく機能していなかったり、そもそも設計が不適切だったりすると、発生したガスが、溶湯の中に閉じ込められ、ブローホールが発生してしまいます。ベントが正しく機能しているかの確認も、確実に行うことが重要です。
④射出速度と方案設計
溶湯が空気を巻き込み、ブローホールが発生してしまうことがあります。溶湯が空気を巻き込む原因となるのは、射出速度とランナーの設計です。
射出速度が速すぎると、溶湯がスプレー状になり、周囲のガスを抱き込みながら充填されてしまいます。製品に合わせて、射出速度や圧力を調整し、最適化を図りましょう。
また、金型内のランナーの設計が複雑になると、溶湯が渦を巻いたり、ピンなどの障害物に激しく衝突したりすることで、空気を巻き込んでしまいます。渦の対策として、溶湯の合流部を設けたり、ピンなどの障害物付近にはエアポケットなど対策を行いましょう。
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まとめ
このように、真空ダイカスト法を用いた際にブローホールが発生する原因は、①真空装置の故障・劣化、②真空引きのタイミング、③金型内部の水分、④射出速度と方案設計といった要素が複雑に絡み合って発生します。真空ダイカスト法はブローホールの抑制に効果的ですが、それでも欠陥を完全に無くすことは難しいのが現実です。
日々の点検で上記のポイントを確認することが、真空ダイカスト法を用いて高品質なダイカスト製品を安定して生産するためのポイントとなります。
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